塗装の基礎知識
タイル外壁の種類や特徴、メンテナンス方法を解説
住宅の外壁の素材にはいくつか種類がありますが、タイルを使ったものに「タイル外壁」があります。
この記事では、タイル外壁の種類と特徴、メリット・デメリット、メンテナンスの方法などについて解説します。
タイル外壁とは?
タイル外壁とは、タイルを敷き詰めて構成する外壁素材です。
タイルの素材により特性が異なりますが、耐久性が高く、汚れにくいなどの特徴があります。
様々なデザインに対応できるため、外観にこだわりたい方に人気があります。
タイル外壁の種類
タイル外壁には、素材により種類があります。
ここでは、タイル外壁の種類を紹介します。
磁器質
磁器質のタイル外壁は、1250度もの高温で焼き固められて作られています。
そのため、水をほとんど吸収しないため、硬くて耐久性が高いのが特徴です。
また、耐久性が高く透明度が高いため人気があり、タイル外壁に最適な素材と言えます。
せっき質
せっき質のタイル外壁は、1200度程度の温度で焼き固められていて、磁器質のタイルと陶器質のタイルの中間の素材です。
磁器質のような透明度はありませんが、磁器質ほど硬くないため、表面を加工することができます。
そのため、高いデザイン性と耐久力から、せっき質はタイル外壁の素材として人気があります。
陶器質
陶器質のタイルは、1000度以上の熱で焼き固めたもので、磁器質やせっき質よりも吸水性が高いのが特徴です。
そのため、タイル外壁としてではなく、主に内装用として用いられます。
土器質
土器質のタイル外壁は土器質レンガと呼ばれ、800度程度の熱で焼いたものです。
強度が高く、多孔質と呼ばれる特徴があり、細かい穴が多いため吸水性が高くなっています。
土器質レンガは、主に建物の構造体として使われますが、薄くスライスしてタイルのようにした「スライスレンガ」や、本物のレンガより軽量化した「レンガ調タイル」もあります。
タイル外壁の形状
タイル外壁には、形状の種類があります。ここでは、タイル外壁の形状について解説します。
形が正方形や長方形のものが「平物タイル」です。
平物タイルの中でも、複数のタイルを並べて連結して施工しやすくしたものをユニットタイルと呼びます。
平物タイルには、ネット状の台紙にタイルの裏面を貼り付けて台紙ごと施工するものや、剥がせるシートをタイルの表面に貼ってまとめたものなどがあります。
L字などの特殊な形状のものが「役物タイル」です。
住宅の角の部分や、外壁の隅、窓周辺などに用いられます。
役物タイルは、タイルを外壁材として用いる上で必要不可欠なタイルです。
タイル外壁のサイズ
タイル外壁にはサイズの種類があります。ここでは、タイル外壁のサイズについて解説します。
108×60(mm)と、レンガの一番小さい面のサイズに合わせて作られたタイルが「小口平タイル」です。
昔の住宅でよく用いられていたタイルのサイズですが、最近ではあまり使われなくなっています。
目地を合わせた大きさが50×50(mm)のタイルが「50角タイル」です。
50角タイル以下のサイズのタイルは、モザイクタイルと呼ばれています。
50角タイルは一枚のサイズが小さいため、ユニットタイルになったものを使用することが多いです。
小口平タイルを2枚張り合わせたサイズのタイルが「二丁掛タイル」です。
こちらも、レンガのサイズに合わせていて、側面の長さと等しくなっています。
二丁掛タイルは、近年よく使われています。
45×95(mm)のサイズのタイルが「45二丁タイル」で、50角タイルを横に2つ並べた大きさです。
タイル外壁の中でも単価が低いため、マンションなどでよく使われています。
「ボーダータイル」は、227×30(mm)を基本サイズとして、様々なサイズ展開があるタイルです。
他のタイルを並べた中に、アクセントとして使われています。
タイル外壁の施工方法
タイル外壁の施工には、以下の2つの工法があります。
「湿式工法」は、セメントと砂を水で練ったモルタルを使って、下地にタイルを貼り付けていく工法です。
職人の技術によって施工品質にバラつきが出やすく、水を使用するため、天候によっては工期が長くなることがあります。
「乾式工法」は、接着剤を使って、ベース用サイディングの上にタイルを貼り付けていく工法です。
湿式より耐震性が高く、天候に関係なく施工できるため、湿式より工期が短めになります。
現在では接着剤の性能が進化しているため、乾式工法が主流です。
タイル外壁のメリット
ここでは、タイル外壁のメリットについて解説します。
高級感のある外観に仕上がる
タイル外壁は、高級感のある外観に仕上がる点がメリットです。
タイルの素材を活かすことで、外壁を高級感と重厚感のある仕上がりにできます。
対応できるデザインが多く、モダン風から海外の建物、和風など、幅広いテイストに対応できます。
耐久性が高く傷や汚れがつきにくい
タイルは、耐久性が高く、経年劣化が起きにくい素材です。
タイルは吸水性がほとんどないため、雨風にさらされてもダメージを受けにくく、汚れもつきにくくなっています。
また、非常に硬い材質のため、傷がつきにくいなど、耐久性や耐候性も優れています。
メンテナンスの手間がかからない
タイル外壁は、頑丈で劣化しにくいため、メンテナンスの手間がかからないのもメリットです。
タイル外壁は、基本的には半永久的に使用できるとされています。
ただし、タイル素材自体に問題がない場合でも、タイルと外壁の接着が弱まることで浮きが発生した場合は、メンテナンスが必要になります。
タイル外壁のデメリット
ここでは、タイル外壁のデメリットについて解説します。
初期費用が高い
タイル外壁は、サイディングやALCなどの外壁素材と比較すると、初期費用が高くなります。
ただし、メンテナンスの手間があまりかからないため、他の素材と比較すると、長期的なコストは安くなるケースもあります。
予算が許すのであれば、長期間に考えてコストを抑えることが可能です。
コーキング材が劣化しやすい
タイル外壁は、コーキング材が劣化しやすいのがデメリットです。
コーキング材は、タイルの目地や、窓のサッシの周辺などに流し込まれる素材で、雨漏りや漏水を防ぎます。
コーキング材はタイル部分とは異なり、劣化しやすいため、他の外壁素材と同様に約7年~10年に1度のメンテナンスが必要です。
ただし、コーキング材の施工の方が、塗り替えよりも低価格で行えます。
耐震性が低め
タイル外壁は、耐震性が低めという点がデメリットです。
タイル自体の強度は高いため地震で壊れる可能性は低いのですが、下地に用いるモルタルに耐震性の問題があります。
モルタルは弾力性が低いため、地震で外壁に力がかかった際にエネルギーを吸収できず、タイルがはがれてしまう可能性があります。
近年では、比較的耐震性が高い下地も開発が進んでいますので、不安な方は業者に相談しましょう。
剥離する危険がある
タイル外壁は、接着剤を使用して外壁に貼り付けていきます。
そのため、きちんと施工がされていないと、タイルが剥離する危険性があります。
また、タイル自体とは異なり、接着剤の寿命は半永久的には持ちません。
そのため、施工には信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
信頼できるかどうかは、タイル外壁の施工実績が豊富かどうか、相談に訪れた際の対応などから判断しましょう。
タイル外壁のメンテナンス方法
ここでは、タイル外壁のメンテナンス方法について解説します。
基本は表面を水洗い
タイル外壁のメンテナンスは、基本的には表面の汚れを水洗いする程度で問題ありません。
タイル外壁は汚れがつきにくい外壁素材ですが、年月が経過すると汚れが目立つようになります。
汚れが気になるようになったら、ホースで水をかけるなどして、水圧でタイルの汚れを落としましょう。
付帯部や目地は定期的な補修が必要
もしタイルのつなぎ目の目地に劣化がある場合は、業者に依頼して補修してもらう必要があります。
そのまま放置していると、タイルが剥がれ落ちる危険性があります。
メンテナンスを行う必要はありませんが、定期的に劣化していないかどうか確認するようにしましょう。
タイル外壁で後悔しないコツ
ここでは、タイル外壁で後悔しないためのコツについて解説します。
トータルコストで費用計算する
タイル外壁を採用する場合は、トータルコストで費用計算をするようにしましょう。
タイル外壁は、初期費用が他の外壁素材よりも高額になります。
ただし、メンテナンスの手間がかからないため、長期間なコストは他の素材よりも低く抑えることができます。
一般的な家屋は数十年単位で住むことが多いため、トータルコストで計算すると費用面で後悔しません。
タイル外壁に慣れた業者を選ぶ
タイル外壁を施工する場合は、タイル外壁に慣れている業者に依頼しましょう。
タイル外壁に慣れていない業者だと、タイルが剥がれ落ちたり、シーリング材がむきだしになっていたり、タイルがずれて貼られるなどのアクシデントが起きる可能性があります。
業者に依頼する前には、タイル外壁の施工実績が豊富かどうかで判断しましょう。
まとめ
ここまで、タイル外壁の種類と特徴、メリット・デメリット、メンテナンスの方法について解説しました。
タイル外壁は、耐久性が高いため、メンテナンスの手間がかからないという特徴があります。
また、外観を高級感のある仕上がりにできるため、外壁の外観にこだわりたい方におすすめです。
ただ、他の外壁素材よりも価格が高く、初期費用がかかるのがデメリットです。
タイル外壁は初期費用はかかりますが、メンテナンスの手間が少ないため、長期的なコストを抑えることができるため、トータルコストから検討するようにしましょう。
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