塗装の基礎知識
屋根に塗装は必要?屋根塗装の効果と必要性について解説
屋根塗装の効果と必要性についてご存じですか。屋根塗装は、紫外線や風雨の影響によって劣化していくので、維持していくために定期的な塗装が必要になります。屋根塗装には、美観を保つだけではない効果があります。屋根塗装の効果とその必要性について説明します。
屋根塗装の効果について
屋根塗装には経年による美観の劣化を直すこと以外に以下に挙げる4つの効果があります。
- 遮熱性能を高める
- サビ発生の防止
- 防水性を高める
- カビ、苔対策
- 意匠性を高める
遮熱性能を高める
屋根塗装には、遮熱性能を高める効果があります。
遮熱塗料といわれる太陽の光を反射する効果を利用して、室内の温度上昇を防ぐ塗料を使うことで建物の遮熱性能を高めることができます。屋根塗装に遮熱塗料を使用した場合、最大で15℃~20℃屋根表面の温度を下げる効果があります。建物の断熱性能により効果に差は出ますが、室内の温度をおよそ1℃~3℃下げることができます。
サビ発生の防止
金属製の屋根材の場合、経年劣化によりさびが発生する可能性があります。屋根塗装をすることでサビ発生の防止になります。
スレート屋根の棟板金やトタン葺き、ガルバリウム鋼板葺きの屋根など金属製の屋根にさびが発生し、腐食が広がると穴が開くなどして雨漏りの原因となります。サビ止めを使って屋根塗装することで雨漏りの原因となるさびの発生を防止できます。
防水性を高める
屋根塗装には、防水性を高める効果があります。
メーカーによってカラーベストやコロニアルとよばれる材料を使ったスレート屋根は、屋根材の防水性のために表面に塗装が施されています。スレート屋根に使われているスレート瓦は主な成分がセメントであるため、そのものに防水性がないので、経年劣化により表面の塗膜が剥がれると防水性が低下すると雨漏りの原因となります。
屋根塗装をすることで、劣化してしまった屋根の防水性を高めることができます。
カビ、苔対策
屋根塗装は、カビ、苔対策になります。
経年劣化により表面の塗膜が劣化し出すと屋根材の防水性が低下します。スレート屋根では、防水性が低下して屋根材が水分を含むことで表面にカビや苔が発生します。美観を損ねるだけでなく、防水性能が低下しているので症状が進行すると雨漏りの原因となる可能性があります。屋根塗装を行いカビ、苔対策をすることで、屋根性能の維持と美観を保つことができます。
意匠性を高める
屋根を塗装することにより、艶や色が蘇り見違えたように屋根が美しくなります。
見た目が綺麗になるのはもちろんのこと、お好みの色にできますので、外観のイメージチェンジやお好みのカラーにすることができます。
屋根塗装の必要性
屋根塗装は、屋根の性能を維持するために必要なことがお分かりいただけたでしょうか。
塗装をせず放置すると防水性能の低下や、サビの発生による影響で雨漏りが発生する可能性があります。雨漏りが発生すると建物の構造にも悪影響が出て、屋根塗装だけではすまない修理費用がかかるかもしれません。美観だけでなく屋根の性能、建物そのものを維持していくために屋根塗装は必要です。
屋根塗装のタイミングは
それでは、屋根塗装をするべきタイミングはどうでしょうか。屋根の劣化症状から判断すると良いでしょう。
劣化症状から判断
屋根に以下のような劣化症状が見られた場合には、塗装を検討する時期と考えてください。
・変色、退色
・カビや苔、藻の発生
変色、退色
屋根材の塗料が紫外線などの影響によって経年劣化して色あせてきた状態です。塗料の劣化が始まっている目安になるので、急いで塗装をしなければならない状態ではないが、気がついた時には劣化が進行してしまっていたということがないように屋根塗装を検討するといいでしょう。
カビや苔、藻の発生
屋根材表面の塗膜が劣化して防水性が低下したため、屋根材が水分を含みカビや苔、藻が発生した状態です。早急な塗装の必要性はないが、放置すれば屋根材の耐久性が悪化して雨漏りの原因になりかねないので、塗装を検討する時期と判断しましょう。
屋根塗装の種類
屋根塗装に使われる主な塗料について特徴を解説するので塗装を検討するときの参考にしてください。主な塗料は以下の3つになります。
・フッ素塗料
・シリコン塗料
・ウレタン塗料
フッソ塗料
フッ素塗料は、フッ素樹脂を主原料としています。耐久性、耐候性に優れた塗料で15年~20年と長い耐用年数があります。性能が高い分、価格は高価になります。
シリコン塗料
シリコン塗料は、シリコン樹脂を主原料とする塗料です。耐用年数は、10年~15年になります。フッ素塗料には劣りますが、耐久性、耐候性に優れた塗料です。防汚性にも優れた塗料であるため塗装工事では、標準的に使われる塗料になります。
ウレタン塗料
ウレタン塗料はウレタン樹脂を主原料としています。耐用年数は7年~10年となります。シリコン塗料と比べて耐久性、耐候性は劣りますが、価格が安価であることがメリットの一つです。密着性が高いという特徴もあります。
なお、ハウストゥカラーでおすすめしている塗料はこちらのページで紹介しています。
特に遮熱塗料は、平米200円くらいの差しかありませんのでお勧めしています。
色選びのポイント
いざ塗装をと言ってもどんな色がいいのか悩まれる方がほとんどです。
塗料の色選びをする場合のポイントをいくつかご紹介します。
家全体の調和を考える
屋根の色が外壁や家全体と調和がとれていないとアンバランスになります。
色相や明度、彩度の要素を考えることが大切です。
色の優先順位を決める
一番面積の多い面をどの色をメインにするかを決めると家全体のイメージや方向性が決まります。もし、複数の色味が同等の面積になってしまうとメリハリがなくなりぼやけたイメージになります。
色数を限定する
家全体に統一感をもたせるためには色数を絞ることが大切です。
ただ、華やかさや個性的にしたい場合は色数を多く使う場合が有効です。
立地環境や景観との調和を考える
家の周りの周辺の環境や景観を考えることも大切です。そうしないと周りから浮いた感じになりますので、ある程度リサーチしてどんな色味が合うのか考えておくとよいでしょう。
とはいえ、実際にどんな色味があうのかなかなかイメージしづらいと思いますので、当社では、建物に合う色味のご提案をしております。
塗料メーカーの色見本やガイドなども見て頂きお選びいただくこともできます。
屋根塗装で注意すること
タイミングや塗料について知ったところで屋根塗装を具体的に検討する方もいるでしょう。屋根塗装を検討するときに注意点を解説します。注意する点は、以下の2つです。
・業者の選び方
・外壁と同時塗装を検討する
屋根塗装を依頼することになったときにトラブルが発生しないようにするためにも開設を参考にしてください。
業者の選び方
業者選びには気をつけましょう。
塗装業者の中には外壁塗装は行っているが、屋根の塗装はあまり経験がないというような業者がいます。そのような業者を選ぶと仕上がりに問題が出てしまったり、屋根には適さない塗料で仕上げてしまうというようなことが発生しかねません。屋根塗装の相談をするときに実績を確認するようにしてください。
トラブルを防ぐために以下の内容を業者に確認するとよいでしょう。
・屋根塗装の実績
・見積書の内容がわかりやすい
・質問の回答がわかりやすい
・保証、アフターフォロー体制
外壁との同時塗装を検討する
屋根塗装を検討するときには、外壁塗装も同時に検討するとよいでしょう。同時検討を勧める理由は以下の3つです。
・屋根の劣化と同様に外壁の劣化も進行している
・同時に行うことで費用を抑えることができる
・屋根と外壁で統一したデザインにできる
屋根の劣化と同様に外壁の劣化も進行している
屋根と同様に外壁も紫外線や風雨の影響による劣化が進行しています。外壁も性能を維持するために塗装によるメンテナンスが必要です。屋根塗装を検討する時期であれば、外壁塗装も合わせて検討するとよいでしょう。
同時に行うことで費用を抑えることができる
屋根塗装を行うには足場が必要になります。外壁塗装も同じく足場が必要です。別々に塗装を行えば足場費用が2回分必要になるため、同時に行うことで1回分の足場費用を抑えることができます。塗装費用を抑えることができるので、屋根と外壁は同時に塗装することを検討してください。
屋根と外壁で統一したデザインにできる
屋根と外壁を同じタイミングで塗装することで建物全体を統一したデザインにできます。
別々におこなうと、塗装を行っていない部分は古いままで見た目がちぐはぐになりかねません。せっかく塗装を行ったのにという気持ちにならないように屋根塗装を検討するのであれば外壁塗装も検討するとよいでしょう。
いろいろな屋根の注意点
屋根には様々な種類があります。春日井市だと、カラーベストか洋瓦が多いですね。
屋根材によって塗装の仕方は違いますし、注意すべき点も違います。下記に比較的多い屋根材の塗装に関する注意点をまとめました。
モニエル瓦
モニエル瓦の場合、スラリー層と呼ばれるものを綺麗に取り除いてから塗装をしなければいけません。
スラリー層とは、セメントや砂などを合わせた着色剤の事です。スラリー層が残ったまま塗装を行うと、スラリー層と一緒に剥がれてしまう原因となってしまいます。施工には専用の塗料はありますので、それを使用することをおすすめします。
スレート屋根(カラーベスト)
スレート屋根やセメント瓦は凹凸があるため、コケやカビが生えやすい屋根材です。そのため、特に高圧洗浄で苔などをしっかりと除去することが重要です。
また、スレートの場合、適切な下塗り材を選定することもポイントの一つです。劣化が激しい場合、下塗りを吸い込みすぎてしまう為、状況に応じて、下塗りを2回、3回と塗る選択も必要になります。
また、塗装をした際に、タスペーサーによる縁切りが必要です。
縁切りは塗料によって必要な隙間を埋めてしまうことで、雨水の逃げ場がなくなってしまうのを防ぐために、タスペーサーという器具をスレートの隙間にはさんでおくことで必要な隙間を確保することです。場合によっては必要ないこともあるため必要性を見極ることも重要です。
トタン屋根
トタン屋根は錆やすく、錆を放置していると穴が空いて雨漏りを起こしてしまいます。そのため塗装によるメンテナンスが欠かせません。
塗装の前にしっかりとケレンを行って錆を除去し、下塗りに錆止めを塗ることが大事です。
屋根塗装は、美観を保つためだけでなく建物を維持していくために必要です。お住いの建物の劣化具合によって屋根塗装を検討するようにしてください。
パミール屋根
国内最大手メーカーのニチハが1996~2008年に製造していた「パミール」は、塗装は行えません。というのは、アスベスト入りのスレートが製造を禁止されたためノンアスベストの商品として開発販売されたのですが、剥がれやひび割れといった不具合が多く現在では製造が中止されています。屋根材自体に問題があるので塗装は無意味です。ですので、当社では葺き替え工事やカバー工法での修理をお勧めしています。
まとめ
ご説明した通り、塗装が必要な屋根は性能を維持するため定期的な塗り替えが必要です。そうすることによって長く丈夫な屋根を保つことができますのでメンテナンスをおこないましょう。また屋根材の耐用年数を迎えるころには、葺き替え工事やカバー工法といった屋根全体のリフォームをおすすめしております。
春日井市のハウストゥカラーでは、屋根の状態を見させて頂き状況に応じて最適な工事をご提案しております。是非一度お気軽にお問い合わせください!
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