塗装の基礎知識
外壁塗装の塗料の種類と選び方を徹底解説
建物のメンテナンスで重要な工程である外壁塗装ですが、外壁塗装に使用する塗料には多くの種類があります。
塗料にはそれぞれ特徴があるため、どの塗料を選べばいいか分からない方もいるかもしれません。
ここでは、外壁塗装の塗料の種類と選び方について解説します。
外壁塗装の塗料の種類
現在、外壁塗装に使われている塗料には、多くの種類があります。
ここでは、その塗料の中から代表的なものを特徴、耐用年数、費用の目安と共に紹介します。
アクリル塗料
「アクリル塗料」は、塗料の素材にアクリルを使用している塗料です。
以前は多く使われていましたが、近年ではほとんど使われなくなっています。
費用は安いものの、耐用年数が低いため、使われることが少なくなっていますが、発色がいいというメリットがあるため、耐用年数を問わない期間限定の建物などで使われるケースがあります。
アクリル塗料の費用の相場は、1平方メートルあたり1,000〜1,500円です。また、耐用年数は5~8年程度となっています。
ウレタン塗料
「ウレタン塗料」は、素材にウレタンを使った塗料です。
一般的な外壁だけでなく、木材や金属にも塗ることができるなど、塗る場所を選ばないというメリットがあるため、よく使われます。
また、費用が比較的安く、耐用年数も長いため、コストパフォーマンスがいいのもメリットです。
ウレタン塗料の費用の相場は、1平方メートルあたり1,800~2,500円となっています。また、耐用年数は7~10年程度あります。
ただ、近年ではシリコン塗料と費用があまり変わらなくなったため、ウレタン塗料のほうを選ぶケースが増えています。
シリコン塗料
「シリコン塗料」は、素材にシリコンを使用した塗料です。
耐用年数が長いため、一般的によく使われています。また、製品の種類が多いため選択肢が多く、生産管理などのノウハウも蓄積されているというメリットがあります。
シリコン塗料の費用の相場は1平方メートルあたり2,500〜3,500円となっています。また、耐用年数は10〜13年程度あります。
ただし、近年ではラジカル制御型のハイブリッド塗料が販売されるようになったため、使われるケースが減少しています。
ラジカル制御型ハイブリッド塗料
近年よく使われるようになっているのが、この「ラジカル制御型ハイブリッド塗料」です。
シリコン塗料よりも耐用年数が長く、低汚染機能があるのが特徴です。
ラジカル制御型ハイブリッド塗料の費用の相場は、1平方メートルあたり3,000〜4,000円となっています。また、耐用年数は12〜15年あります。
ナノテクノロジー塗料
ナノテクノロジーを応用した塗料が、この「ナノテクノロジー塗料」です。
低汚染という特徴があり、さらに石油由来の原料をあまり使っていないため、エコロジーな塗料となっています。
低汚染機能により、雨で汚れが洗い流せるのがメリットです。ただ、製造しているメーカーが限定されていて、色も彩度が低い艶なしのものしかありません。
ナノテクノロジー塗料の費用の相場は、1平方メートルあたり2,500〜5,500円となっています。また、耐用年数は12〜15年程度あります。
アクリル100%(ピュアアクリル)塗料
アクリル塗料から不純物を完全に取り除いたものが「アクリル100%塗料」です。また、ピュアアクリル塗料とも呼ばれます。
アクリル100%塗料は、不純物をなくしたことで、フッ素塗料と同程度の耐用年数があり、汚れにくくなっています。
また、弾性に優れているため、クラックへの追従性が高く、モルタルなどのひびが入りやすい外壁に適しています。
アクリル100%塗料の費用の相場は1平方メートルあたり3,800~4,500円となっています。また、耐用年数は13~15年超あります。
ただ、クラックが入りにくい外壁ではメリットを活かせないため、あえて選ぶ必要がないかもしれません。
フッ素塗料
「フッ素塗料」は、素材にフッ素を使用した塗料です。
費用は高価ですが、耐用年数が長く、耐候性も高いため、塗り替えが頻繁にできないビルなどの建物に多く使用されています。
特に信頼性が必要なケースで使われる塗料です。
フッ素塗料の費用の相場は、1平方メートルあたり3,500〜5,000円となっています。また、耐用年数は13〜15年程度あります。
無機系ハイブリッド
無機系ハイブリッド塗料は、無機と有機のシリコン結合のメリットを組み合わせた塗料です。
費用はかなり高額ですが、耐用年数がかなり長いため、公共性の高い建物に使用されています。
無機系ハイブリッド塗料の費用の相場は、1平方メートルあたり4,000〜5,500円となっています。また、耐用年数は15〜20年程度あります。
塗料の分類と違いについて
塗料は、色をつけるための「顔料」、耐久性に影響する「合成樹脂」、原料を溶かして液状にするための「希釈剤」、塗料に機能をつけるための「添加剤」で構成されています。
塗料は、この構成されている素材の違いによって分類されます。
ここでは、主な塗料の分類と違いについて解説します。
合成樹脂の違い
塗料の分類として挙げられるのが「合成樹脂」の違いです。
「合成樹脂」は、塗料の耐用年数に大きく影響する要素です。
合成樹脂には主に4種類あり、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素の順で、耐久性が高くなります。
この合成樹脂により劣化しにくさが異なり、塗料の耐用年数に影響します。
ハイブリッド塗料について
近年では複数の素材を組み合わせた「ハイブリッド塗料」が使われています。
性質が異なる複数の素材を組み合わせることで、それぞれのメリットを兼ね備えた性質を持つ塗料にしています。
このハイブリッド塗料は「水性・油性」「1液型・2液型」に分けることができます。
水性塗料と油性塗料
塗料は顔料や合成樹脂などの素材を溶かして液状にすることで、塗装できる形にしています。この素材を溶かすために使うのが希釈剤です。
この希釈剤に水を使用した塗料が水性塗料、シンナーなどの有機溶剤を使用した塗料が油性塗料となります。
一般的に油性塗料のほうが水性塗料よりも耐用年数が長いとされていて、性能面では油性塗料が優れていますが、シンナーを使うため臭いがきついというデメリットがあります。
水性塗料は、シンナーの代わりに水を希釈剤として使っているため、臭いが比較的少なくなっています。
ただ、近年では臭いが少ない弱いシンナーを使った油性塗料や、性能が高い水性塗料も販売されています。
1液型と2液型
水性塗料と油性塗料には、「1液型」と「2液型」の2つの種類があります。
それぞれ特徴としては、1液型のほうが施工がしやすく、2液型のほうが質が高く、より幅広い素材に塗ることができる、という点があります。
一般的に流通しているのは、ほとんどが1液型で、2液型は対応できる業者が限定されています。
一般的な家屋の外壁塗装では、1液型が使われるため、2液型については特に知っておく必要がないかもしれません。
艶の有無
外壁塗装で使うほとんどの塗料では、艶ありと艶なしを選ぶことができます。選ぶことができる艶としては、艶消し(マット)、3分艶、5分艶(半艶)、7分艶、艶あり(光沢度が7分以上)があります。
一般的に販売されている塗料の多くは、光沢度が70%以上ある「艶あり」の塗料です。艶の台は、ここに艶消し剤を混ぜることで光沢を減らします。
ただ、艶消し剤を入れると、塗料の耐久性が落ちる傾向があります。
水性塗料には、最初から艶消し塗料として販売されているものもあり、耐久性が落ちる心配はありません。ただ、後から艶を足すことはできないため、注意が必要です。
塗料の選び方のポイント
ここまで、外壁塗装で使用する塗料の種類や特徴について紹介しました。
ただ、塗料の種類は多く特徴も異なるため、どの塗料を選べばいいか迷ってしまうかもしれません。
ここでは、塗料の選び方のポイントについて解説します。
外壁塗料の特徴を把握する
外壁塗装に使う塗料を選ぶ際には、塗料の特徴を把握しておくことが重要です。どんな塗料があるのかを知らなければ、適切な塗料を選ぶことができません。
塗料の種類と特徴については、ここまで解説しましたが、この特徴をおおまかに知っておくだけでも適切な塗料を選びやすくなります。
抑えておきたいポイントとしては、費用の相場と耐用年数です。これにより、外壁塗装の工事にかかる費用と工事を行う頻度が決まります。
塗料の値段だけではなく総額費用も確認する
外壁塗装の工事では、塗料の費用以外にも、さまざまな費用が発生します。
例を挙げると、外壁塗装の作業を行う人件費、補修費や養生の費用、さらに工事を行うための足場代などが別途かかります。
外壁塗装の工事を依頼する場合は、業者に見積もりを取り、その合計金額をよく確認するようにしましょう。
外壁塗装のプロの意見も参考にする
外壁塗装の仕上がりは、塗料の種類のみで決まるわけではありません。業者の外壁塗装工事がうまく行われないと、良い塗料を使ったとしても、仕上がりが悪くなる場合があります。
外壁塗装には、塗装だけでなく、塗装の前の下地処理なども重要です。
また、業者によって得意な塗料の種類は異なります。提案される塗料も異なることが多くなっています。
そのため、外壁塗装を行う場合は、複数の業者に見積もりを依頼し、十分に比較するようにしましょう。
また、外壁塗装は工事完了後のアフターサービスも重要で、さらに耐用年数が過ぎれば再度外壁塗装の工事が必要になります。
そのため、長く付き合うことができる実績が豊富な塗装業者を選ぶようにすると、総合的に失敗しにくくなります。
まとめ
ここまで、外壁塗装に使う塗料の種類と選び方について解説しました。
外壁塗装の塗料には多くの種類があり、それぞれ特徴が異なります。特に費用の相場や耐用年数が異なり、外壁塗装の工事にかかる費用や工事の頻度などが決まります。
塗料の選び方のポイントとしては、塗料の種類や特徴を把握しておくこと、工事の費用の合計も検討すること、業者に相談すること、があります。
外壁塗装では、最適な塗料を選ぶことも重要ですが、業者選びも重要です。優良業者に工事を依頼することで、外壁塗装の仕上がりもよくなり、長期的に失敗することもなくなります。
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