塗装の基礎知識
スーパーラジカルシリコンGHとはどんな人におすすめの塗料？特徴やメリット・デメリットを解説
外壁塗装で使用する塗料には、数多くの種類が存在します。
そんな塗料の中でも近年注目を集めているのが「スーパーラジカルシリコンGH」です。
この記事では、このスーパーラジカルシリコンGHの種類と特徴、メリット・デメリット、おすすめな人について解説します。
外壁塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
スーパーラジカルシリコンGHとは？
「スーパーラジカルシリコンGH」とは、アステックペイントが販売している外壁塗装用のラジカル塗料です。
スーパーラジカルシリコンGHは、シリコン塗料に分類されますが、塗料の劣化の原因となるラジカル分子の発生を低減させているのが特徴です。
そのため、耐候性が高く、耐用年数が長いという特徴があります。
また、価格帯は通常のシリコン塗料と同等ながらより長い耐用年数を実現しているため、コストパフォーマンスが高い塗料となっています。
スーパーラジカルシリコンGHが使用できる外壁材
「スーパーラジカルシリコンGH」は、ラジカル塗料ですが、塗料の原料となる樹脂はシリコンを使用しています。
シリコン塗料は、外壁塗装で主流となっている種類の塗料で、施工性が高いのが特徴です。
そのため、スーパーラジカルシリコンGHでは、「RC」「ALC」「窯業系サイディング」「モルタル」「波型スレート」の下地に使用することができます。
スーパーラジカルシリコンGHと他の塗料との違い
ここでは、スーパーラジカルシリコンGHと他の塗料の違いについて解説します。
スーパーラジカルシリコンGHと他の塗料の違いは、ラジカル制御にあります。
従来の外壁塗装では、シリコン樹脂やフッ素などの樹脂によって耐久性を確保していました。
一方で、スーパーラジカルシリコンGHの場合、耐久性を樹脂ではなくラジカル制御で確保しています。
このラジカル制御とは、塗料を劣化させる原因のラジカルという物質の発生を抑える技術です。
ラジカル制御技術によって、シリコン塗料の中でも、より高いレベルの耐久性を確保できています。
このように、スーパーラジカルシリコンGHと他の塗料の違いは、耐久性を確保している方法が異なるという点になります。
スーパーラジカルシリコンGHの特徴
「スーパーラジカルシリコンGH」の特徴としては、ラジカル制御機能があることで、塗装の劣化を防ぐことが期待できる点です。
ラジカル制御のラジカルとは、塗料に色をつける顔料の主成分の「酸化チタン」が、紫外線の影響により発生する物質で、塗料を劣化させる原因となっています。
ラジカルが発生することで、塗装の樹脂の結合が破壊され、塗膜の劣化が進んでしまいます。
スーパーラジカルシリコンGHでは、ラジカルの発生を防ぐため、以下の技術を用いています。
ラジカル制御型⽩⾊顔料
スーパーラジカルシリコンGHで使用されている技術として、「ラジカル制御型白色顔料」というものがあります。
このラジカル制御型白色顔料は、塗料を劣化させる原因であるラジカルの発生を抑制する効果があります。
ラジカルが発生しにくい上、ラジカルが発生した場合でも、シールド層がラジカルの放出を防ぐため、より塗膜が劣化しにくくなっています。
HALS
スーパーラジカルシリコンGHでは、さらに「HALS」という光安定剤が配合されています。
（HALSとは、Hindered Amine Light Stabilizerの略で、光安定剤という意味です）
このHALSによって塗膜中に発生したラジカルを捕捉することで、塗膜の劣化を防ぎます。
このように、2つの技術により、ラジカルの発生を抑制し、発生したラジカルもシールド層で放出を防ぎ、さらにHALSでラジカルを捕捉することで、塗膜の劣化を防ぐことが可能です。
スーパーラジカルシリコンGHのメリット
ここでは、スーパーラジカルシリコンGHのメリットについて解説します。
費用対効果が高い
スーパーラジカルシリコンGHのメリットとしては、費用対効果が高いという点が挙げられます。
スーパーラジカルシリコンGHはシリコンを使った塗料ですが、通常のシリコン塗料と比較しても性能が高いのが特徴です。
スーパーラジカルシリコンGHでは、ラジカル制御により耐用年数が長くなっているため、通常のシリコン塗料と比較すると費用対効果が高くなっています。
性能はフッ素塗料には及ばないものの、スーパーラジカルシリコンGHは性能が高いため、シリコン塗料を使いたい場合は、スーパーラジカルシリコンGHがおすすめです。
チョーキングが起こりにくい
チョーキングとは、外壁を指で触れた際に、手にチョークの粉のようなものが付着する現象です。
このチョーキングは、外壁の塗膜が劣化している際に発生する現象の一つです。
外壁が経年劣化により、塗膜に含まれる白色顔料の酸化チタンが外壁の表面に粉状になって出てくるのがチョーキング現象です。
特に、外壁塗装の色が白や淡色の場合、白色顔料の劣化が進むことで、チョーキング現象が発生しやすくなっています。
スーパーラジカルシリコンGHは、ラジカル制御機能がある塗料であるため、塗膜の劣化が起きにくいため、チョーキングが起こりにくくなっています。
汚れが付着しにくく美観を保持できる
一般的なシリコン塗料の場合は、表層の柔軟性が高いため、汚れが付着しやすいという問題があります。
ただ、スーパーラジカルシリコンGHは、その柔軟性がある層を強靭な層でコーティングした二重構造のアクリルシリコン樹脂を採用しているため、表面に汚れが付着しにくくなっています。
そのため、建物の美観を長期間保持することが可能です。
塗装時の光沢が持続する
スーパーラジカルシリコンGHは、汚れに強く変色しにくいため、塗装時の光沢を長期間持続させることができます。
スーパーラジカルシリコンGHの耐用年数は12年〜14年とされていますが、この耐用年数が経過後でも光沢の保持率が80％以上を保持することが実証されています。
一般的に、ラジカル塗料はツヤが強いのが特徴ですが、スーパーラジカルシリコンGHでは、それを長期間保持することが可能です。
多くの下地と相性が良い
スーパーラジカルシリコンGHは、ラジカル塗料であるため、多くの下地に使用することができます。
普及しているサイディングや、モルタル・コンクリート、木部やアルミといった、多くの素材に対して塗装が可能です。
防カビ性に優れている
スーパーラジカルシリコンGHなどのラジカル塗料は、バイオ技術によって、苔やカビが付きにくいという特徴があります。
そのため、日当たりがよくない湿度が高い外壁の塗装に最適です。
また親水性にも優れているため、雨水による汚染を防ぐ力もあります。
塗料の伸びが良いので塗りやすい
スーパーラジカルシリコンGHは塗料として伸びが良く塗りやすいため、施工性が高いため職人に好評な塗料です。
作業を行いやすいため、リフォームなどの際に失敗が少ないのもメリットです。
スーパーラジカルシリコンGHのデメリット
ここでは、スーパーラジカルシリコンGHのデメリットについて解説します。
新しい塗料であるため耐用年数の実績がわからない
スーパーラジカルシリコンGHは、メーカーの公表データによると、耐用年数が12年〜14年とされています。
ただ、スーパーラジカルシリコンGHは発売されてからあまり年数が経っていないため、実際の耐用年数がどの程度なのかという実績が分からない点がデメリットです。
メーカーとしては、実証試験を行ってから耐用年数のデータを公表していますが、実際の耐用年数がどの程度なのかについては、その年数が経ってみないと分かりません。
現在、スーパーラジカルシリコンGHを使用した施工事例は増えていますが、まだ耐用年数としてのデータは揃っていないと言えます。
黒色や濃色系では効果が薄い
ラジカル塗料は、ラジカルを発生させないことで塗膜の劣化を防いでいます。
ただ、濃色系の塗料には、ラジカルの原因となる酸化チタンをあまり含んでいないため、そもそもラジカルが発生しにくくなっています。
また、ラジカル塗料の主成分は酸化チタンという白色顔料なので、物理的に濃い色にできない場合があります。
そのため、もし外壁の色を黒色や濃色系にしたい場合は、ラジカル塗料を選ぶ理由はあまりありません。
スーパーラジカルシリコンGHがおすすめな人
ここでは、スーパーラジカルシリコンGHがおすすめな人について解説します。
長持ちする塗料を選びたい
スーパーラジカルシリコンGHは、長持ちする塗料を選びたい方におすすめです。
スーパーラジカルシリコンGHの耐用年数は12年〜14年とされています。
フッ素塗料などは耐用年数が15年を超えるため、それよりは若干耐用年数が落ちますが、それでも塗料の中では耐用年数が長くなっています。
一度の塗装で外壁が長持ちするため、建物を長持ちさせたい場合や、外壁塗装の回数を減らしたい場合におすすめです。
汚れにくい外壁にしたい
汚れにくい外壁にしたい場合も、スーパーラジカルシリコンGHはおすすめです。
スーパーラジカルシリコンGHは、表面に艶がある塗膜を形成するため、汚れにくいという特徴があります。
外壁に汚れが付着したとしても、ある程度の汚れであれば雨水で流されるため、建物の美観を保つことができます。
特に、苔やカビが発生しやすい日陰が多い場所の外壁に、スーパーラジカルシリコンGHはおすすめです。
メンテナンス費用を節約したい
メンテナンス費用を節約したい方も、スーパーラジカルシリコンGHはおすすめです。
スーパーラジカルシリコンGHは耐用年数が長いため、外壁塗装などのメンテナンスをする機会を減らすことができます。
シリコン塗料は耐用年数が8年ですが、50年で計算すると6回程度の外壁塗装が必要です。
これをスーパーラジカルシリコンGHで換算すると、耐用年数は13年あるため、4回程度に下がります。
このように、外壁塗装の回数を減らすことができるため、メンテナンス費用を節約することができます。
まとめ
ここまで、スーパーラジカルシリコンGHの特徴やメリット・デメリットについて解説しました。
スーパーラジカルシリコンGHはシリコンを使った安価な塗料ですが、ラジカル制御により長い耐用年数を実現しています。
また、色や艶のバリエーションが多く、汚れにくいという特徴があります。
そのため、外壁の色などにこだわりたい方や、メンテナンス費用を抑えたい方におすすめです。
ただし、発売されてから年数が短いため実績が少ないというデメリットがあるため、スーパーラジカルシリコンGHを使う際は、理解した上で使用するようにしましょう。
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