外壁塗装で必要になる塗料ですが、現在は数多くの種類が存在します。
そんな塗料でも近年注目されているものに「パーフェクトトップ」というものがあります。
この記事では、このパーフェクトトップの種類と特徴、メリット・デメリット、おすすめな人について解説します。
外壁塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

パーフェクトトップとは

「パーフェクトトップ」とは、塗料メーカーの日本ペイントが販売しているラジカル塗料です。
パーフェクトトップは、アクリル塗料に分類されますが、塗料の劣化の原因となるラジカル分子の発生を低減させているのが特徴です。
そのため、シリコングレードを超える耐候性があります。
また、価格帯はシリコン塗料と同等で耐用年数が長いため、コストパフォーマンスが高い塗料となっています。
現在、ラジカル塗料には多くのメーカーから様々な種類の商品が販売されていますが、パーフェクトトップはその中でも一番最初に発売されたラジカル塗料です。
パーフェクトトップは、現在でもラジカル塗料を代表する塗料となっています。

▷パーフェクトトップ｜日本ペイント

パーフェクトトップの種類

パーフェクトトップには、通常のパーフェクトトップの他にも、パーフェクトトップローズ、ファインパーフェクトトップの3種類あります。
ここでは、各種類の特徴を紹介します。

「パーフェクトトップ」は、パーフェクトトップシリーズの標準となっている塗料で、2012年にラジカル塗料として初めて発売された塗料です。
パーフェクトトップは水性塗料のため、特有の臭いが発生しません。
また、塗料の乗りがよく飛散しにくいため、施工しやすいという特徴があります。
「パーフェクトトップローズ」は、通常のパーフェクトトップにバラの香りがする香料を追加した塗料です。水性塗料は臭いは少ないのですが、それでも多少のシンナー臭があります。

パーフェクトトップローズは、バラの香りの香料を追加することで、このシンナー臭を軽減しているため、乳幼児やペットがいる家庭でも問題なく施工することができます。

「ファインパーフェクトトップ」は、油性塗料のパーフェクトトップです。
塗料には大きく分類して、油性塗料と水性塗料の2種類あります。
水性塗料は缶を空けてそのまま使用できる塗料で、通常のパーフェクトトップは、この水性塗料に分類されます。
ファインパーフェクトトップなどの油性塗料は、硬化剤を混ぜてから使用するため、水性塗料よりも塗膜の耐久性が高いのが特徴です。
より耐用年数を長くしたい場合は、油性塗料のファインパーフェクトトップがおすすめです。

パーフェクトトップが使用できる外壁材

「パーフェクトトップ」はラジカル塗料ですが、塗料の原料となる樹脂はアクリルを使用しています。
アクリル塗料は、少し前までは外壁塗装で主流となっていた種類の塗料で、施工性が高いのが特徴です。
そのため、サイディングやモルタルなどの一般的な家屋でよく使われる外壁材だけでなく、鉄部、木部、樹脂にも塗装することができます。
ただし、アクリル塗料は少し硬めの塗膜を形成するため、塗料がはがれやすいという問題があり、鉄部や木部の塗装では、ウレタン塗料かシリコン塗料を使うのが一般的です。
これはパーフェクトトップだけの傾向ではなく、フッ素塗料や無機塗料でも同じように行われます。

パーフェクトトップと他の塗料との違い

ここでは、パーフェクトトップと他の塗料の違いについて解説します。
パーフェクトトップと他の塗料の違いは、ラジカル制御にあります。
従来の外壁塗装では、シリコン樹脂やフッ素などの樹脂によって耐久性を確保していました。
一方で、パーフェクトトップの場合、耐久性を樹脂ではなくラジカル制御で確保しています。
このラジカル制御とは、塗料を劣化させる原因のラジカルという物質の発生を抑える技術です。
ラジカル制御技術によって、塗料の中で最も安いアクリル塗料でも、シリコン塗料に匹敵するレベルの耐久性を確保できています。
このように、パーフェクトトップと他の塗料の違いは、耐久性を確保している方法が異なるという点になります。

パーフェクトトップのメリット

ここでは、パーフェクトトップのメリットについて解説します。

費用対効果が高い

パーフェクトトップの一番のメリットは、費用対効果が高いという点です。
パーフェクトトップはアクリルを使った塗料ですが、アクリル塗料は外壁塗装で使われる塗料としては、一番グレードが低いとされています。
ただ、パーフェクトトップでは、ラジカル制御によりシリコン塗料を上回るレベルの性能を実現しています。
そのため、価格はシリコン塗料と同等なのに、耐用年数はシリコン塗料を上回るため、費用対効果がかなり高くなっています。
性能はフッ素塗料には及ばないものの、パーフェクトトップは性能が高いため、シリコン塗料を使いたい場合は、パーフェクトトップがおすすめです。

外壁の美観が長持ちする

パーフェクトトップは、ラジカル制御技術により、塗膜の劣化を防いでいます。
そのため、チョーキング減少が発生しにくいため、外観の美観が長持ちするのが特徴です。
チョーキング現象とは、塗料の成分が紫外線で分解されることで、表面に粉状になって出てくる現象です。
チョーキング現象が発生すると、外壁が白っぽくなり、色あせて見えるため、外観が悪くなります。
また、同時に外壁の防水性能も下がるため、苔やカビが発生しやすく、さらに美観を悪くする原因になります。
パーフェクトトップでは、チョーキング現象の発生自体を抑制するため、外壁の美観が長持ちします。

色と艶のバリエーションが豊富

パーフェクトトップは、アクリル塗料に分類されるため、色と艶のバリエーションが豊富なのが特徴です。
カラーバリエーションが豊富にあるため、建物のデザインに合わせた色で塗装できます。
また、パーフェクトトップは様々な仕様に対応できるため、他のラジカル制御塗料と比較しても色と艶の種類が多くなっています。
そのため、建物の色や艶にこだわりたい方におすすめできる塗料です。

結露・雨漏りに強い

パーフェクトトップは、原料にアクリルを使用しています。
そのため、ラジカル塗料の中でも「透湿性」が高いという特徴があり、結露や雨漏りに強い特徴があります。

パーフェクトトップのデメリット

ここでは、パーフェクトトップのデメリットについて解説します。

耐用実績が少ない

パーフェクトトップのデメリットとしては、発売されてからの年数が短いため、耐用実績が少ないという点があります。
メーカーが公表しているデータによると、パーフェクトトップの耐用年数は11年〜14年となっています。
ただ、パーフェクトトップは2012年に発売されたため、現時点では実際の耐用年数は分かりません。
メーカーは耐用性の試験を行っているため、耐用年数に信用がない訳ではありませんが、実際のデータが少ないため、耐用実績としては不十分と言えます。
ただ、現時点では公表されている耐用年数よりも短いといったトラブルなどは発生していません。

黒や濃色系ではラジカル塗料の効果が薄い

パーフェクトトップのラジカル制御機能は、白や淡色系で強くなる傾向があります。
一方で、黒や濃色系の場合はラジカル制御の効果が薄くなってしまいます。
塗料を劣化させるラジカルは、酸化チタンという成分が紫外線の影響で分離することで発生します。
黒や濃色系の塗料の場合、この酸化チタンが少ないため、元々ラジカルの発生量が少なくなっています。
そのため、結果としてラジカル制御の効果が薄くなっています。
もし黒や濃色系の塗料で塗装したい場合は、耐久性を重視するならフッ素塗料を、価格を重視するならシリコン塗料を選ぶようにしましょう。

パーフェクトトップがおすすめな人

ここでは、パーフェクトトップがおすすめな人について解説します。

長持ちする塗料を選びたい

パーフェクトトップは、長持ちする塗料を選びたい方におすすめです。
パーフェクトトップの耐用年数は11年〜14年とされています。
フッ素塗料などは耐用年数が15年を超えるため、それよりは若干耐用年数が落ちますが、それでも塗料の中では耐用年数が長くなっています。
一度の塗装で外壁が長持ちするため、建物を長持ちさせたい場合や、外壁塗装の回数を減らしたい場合におすすめです。

汚れにくい外壁にしたい

汚れにくい外壁にしたい場合も、パーフェクトトップはおすすめです。
パーフェクトトップは、表面がつるつるとした艶がある塗膜を形成するため、汚れにくいという特徴があります。
外壁に汚れが付着したとしても、ある程度の汚れであれば雨水で流されるため、建物の美観を保つことができます。
特に、苔やカビが発生しやすい日陰が多い場所の外壁に、パーフェクトトップはおすすめです。

高級感のある外壁にしたい

高級感のある外壁にしたい方も、パーフェクトトップはおすすめです。
パーフェクトトップは艶がある塗膜を形成するため、高級感がある仕上がりになります。

艶がある塗料はいくつかありますが、パーフェクトトップは費用対効果が高いため、おすすめできます。

メンテナンス費用を節約したい

メンテナンス費用を節約したい方も、パーフェクトトップはおすすめです。
パーフェクトトップは耐用年数が長いため、外壁塗装などのメンテナンスをする機会を減らすことができます。
シリコン塗料は耐用年数が8年ですが、50年で計算すると6回程度の外壁塗装が必要です。
これをパーフェクトトップで換算すると、耐用年数は13年あるため、4回程度に下がります。
このように、外壁塗装の回数を減らすことができるため、メンテナンス費用を節約することができます。

パーフェクトトップの適正価格・費用相場は？

ここでは、パーフェクトトップの適正価格・費用相場について解説します。
一般的なパーフェクトトップの費用は、1平方メートルあたり2,400円です。
ただし、塗装する外壁に種類により変動するため、素材別に3つ紹介します。

窯業系サイディング外壁の場合

窯業系サイディングボードにパーフェクトトップで塗装する場合は、費用の目安は1平方メートルあたり2,400円～2,800円です。
費用は、外壁の凹凸の深さや使う色の数により変動します。
表面が平らであるサイディングでは費用は安く、波型であれば高くなります。

モルタル外壁の場合

パーフェクトトップで、モルタルやコンクリートの外壁を塗装する場合、費用の目安は1平方メートルあたり2,500円～2,800円です。
こちらも、表面が平らであるほど費用は安く、凹凸が深いほど費用が高くなります。

金属系サイディング外壁の場合

パーフェクトトップで金属系サイディングや、軒先など鉄部を塗装する場合、費用の目安は1平方メートルあたり2,450円です。
パーフェクトトップを塗る下地が金属の場合は、下塗り材として「パーフェクトプライマー」を使う必要があります。

まとめ

ここまで、パーフェクトトップの特徴やメリット・デメリットについて解説しました。
パーフェクトトップはシリコンを使った安価な塗料ですが、ラジカル制御により長い耐用年数を実現しています。また、色や艶のバリエーションが多く、汚れにくいという特徴があります。
そのため、外壁の色などにこだわりたい方や、メンテナンス費用を抑えたい方におすすめです。
ただし、発売されてから年数が短いため実績が少ないというデメリットがあるため、パーフェクトトップを使う際は、理解した上で使用するようにしましょう。

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