外壁塗装などで使用する塗料では、近年「ラジカル塗料」が注目を集めています。
このラジカル塗料は、特殊な技術を用いることで耐用年数が長くなっている塗料です。
この記事では、このラジカル塗料の一つである「プレミアムシリコン」について、その特徴やメリット・デメリットなどについて解説します。

プレミアムシリコンとは

「プレミアムシリコン」とは、「エスケー化研」が販売している外壁塗装用の塗料です。

プレミアムシリコンは、シリコン樹脂を主原料とした塗料で、ラジカルコントロール技術を導入しているのが特徴です。
プレミアムシリコンは、外壁塗装の最後の工程の「上塗り」に使用される塗料で、外壁塗装で使用される塗料で高い普及度となっています。
プレミアムシリコンが人気となっている理由には、ラジカルコントロール技術があります。
この「ラジカルコントロール技術」とは、塗料が劣化するスピードを抑える効果が期待できる上、塗装の耐用年数が長いため、塗替えの回数が少なくなるのが特徴です。
そのため、総合的にメンテナンス費用を削減できるため、近年人気を集めています。

▷プレミアムシリコン｜エスケー化研

プレミアムシリコンの特徴

ここでは、プレミアムシリコンの特徴を詳細に解説します。

ラジカルコントロール技術を導入した高い耐久性

プレミアムシリコンの特徴には、ラジカルコントロール技術の導入による耐久性の高さがあります。
この「ラジカルコントロール技術」だけでも耐久性が長くなりますが、さらに「超耐候形特殊ハイブリッドシリコン樹脂」を採用しているのも特徴です。
この樹脂を使用することで、耐候性の向上、架橋効果の向上による低汚染・防カビ・防藻性を実現し、総合的な耐久性の高さをさらに確保しています。

ツヤのある美しい仕上がり

プレミアムシリコンは、ツヤのある美しい仕上がりになるのが特徴です。

プレミアムシリコンで外壁を塗装すると、その塗膜がなめらかで、従来の水性塗料と比較しても強いツヤを出すことができます。
表面がなめらかでツヤがある外壁は汚れに強く、表面に汚れがついた場合でも雨水で洗い流されるため、常に外観が美しくなります。
長期間にわたって外観をきれいにできるだけでなく、メンテナンスの手間がかからないという特徴もあります。
また、プレミアムシリコンには50種類程度とカラーバリエーションが豊富で、外壁の色にこだわりたい方にもおすすめです。

人にも環境にも優しく作業性がよい

プレミアムシリコンは性能が高いのが特徴ですが、環境な人に優しいため、安心して作業することができます。

耐久性が高い塗膜は油性塗料でないと難しいと思っている方は多いかもしれませんが、油性塗料は希釈するためにシンナーが使われているため、人体にはよくありません。
プレミアムシリコンは希釈に水を使った水性塗料であるため、塗料の臭いが油性塗料よりも少なく、人体への悪影響も少ないのが特徴です。

プレミアムシリコンの種類

プレミアムシリコンには、通常の「プレミアムシリコン」の他に、「弾性プレミアムシリコン」の2種類があります。

この2種類は、耐用年数などの基本的な性能や特徴に違いはありません。
この2つの違いとしては、弾性プレミアムシリコンには「ひび割れ追従性」という機能があります。
「弾性プレミアムシリコン」には、弾性系の素材が用いられていて、塗膜が伸び縮みする性質があります。
この性質により、外壁にひび割れが発生した場合でも、雨水が建物内部に浸入しにくくなっています。
特に、外壁がひび割れしやすい環境にある場合、弾性プレミアムシリコンの使用がおすすめです。
ただし、弾性プレミアムシリコンの方が価格が1平方メートルあたり200円高くなるため注意しましょう。

また、外壁の仕上がりにも違いがあります。
プレミアムシリコンには、「ツヤあり」「半艶」「3分艶」「艶消し」の4種類がありますが、弾性プレミアムシリコンには「艶消し」が存在しません。
基本的には、「プレミアムシリコン」が標準となっていて、見積もりに「プレミアムシリコン」と記載されている場合は、「プレミアムシリコン」が採用されます。
弾性プレミアムシリコンを使用したい場合は、よく確認するようにしましょう。

プレミアムシリコンが使える外壁と下地材について

ここでは、プレミアムシリコンが使える外壁と下地材について解説します。
プレミアムシリコンは上塗りで使う塗料であるため、塗装面の下地に適した下地材を選ぶことが必要です。
適切な下地材を選ぶことで、ほとんどの外壁でプレミアムシリコンが使用できます。
また、プレミアムシリコンに対応した下地材が販売されています。

この下地材には

• 水性SDサーフエポプレミアム
• マイルドSDサーフエポプレミアム
• 弾性プレミアムフィラー
• 水性ハイブリッドシーラー

の4種類あります。

それぞれの特徴について解説します。

水性SDサーフエポプレミアム・マイルドSDサーフエポプレミアム

「水性SDサーフエポプレミアム」「マイルドSDサーフエポプレミアム」は、窯業系サイディングを塗装する際に使用する下地材です。
軽度のひび割れをカバーすることが可能で、なめらかで美しい仕上がりが特徴です。
どちらも性能は同等で、水性塗料を使う場合は「水性SDサーフエポプレミアム」、油性塗料を使う場合は「マイルドSDサーフエポプレミアム」を使用します。

弾性プレミアムフィラー

「弾性プレミアムフィラー」は、コンクリートやモルタルなどの既存の塗膜がある場合に使用する下地材です。
薄付け・厚付けの両方の仕上げに対応していて、ひび割れに強いという特徴があります。

水性ハイブリッドシーラー

「水性ハイブリッドシーラー」は、無機系コーディングのサイディングや高耐候性有機塗膜の塗装で使用する下地材です。
シール性・浸透性に優れていて、幅広い適応性があるため、さまざまなサイディングで使用できますが、価格が高いため注意が必要です。

プレミアムシリコンのメリット

ここでは、プレミアムシリコンのメリットについて解説します。

耐久性が高く塗装回数を減らせる

プレミアムシリコンは耐久性が高いため、外壁塗装の回数を減らすことができます。
プレミアムシリコンは耐用年数が14年〜16年あるため、外壁塗装の回数を減らすことで、メンテナンス費用を大幅に抑えることができます。
また、プレミアムシリコンは耐候性が高く、汚れにくく、カビは苔が発生しにくいなど、高い性能があるため、建物を長持ちさせることが可能です。

外観が美しく仕上がる

プレミアムシリコンは、他の水性塗料と比較して、外観が美しく仕上がります。
また、ツヤの度合いを「半艶」「3分艶」「艶消し」から選べるため、艶を抑えたマットな仕上がりにしたい、などの要望にも対応できます。

プレミアムシリコンのデメリット

ここでは、プレミアムシリコンのデメリットについて解説します。

ツヤが出すぎる

プレミアムシリコンはツヤが出るのが特徴ですが、ツヤが強すぎるという側面があります。
一般的な塗料よりもツヤが強くなる傾向があるため、事前にツヤがどの程度出るのか、確認しておくようにしましょう。

比較的施工事例が少ない

プレミアムシリコンは、比較的新しい塗料であるため、施工事例がまだ少ないのが現状です。
メーカーが公表している耐用年数は14年〜16年ですが、実際にこの年数を経過した事例がないため、実際の耐用年数が確認できていません。
また、プレミアムシリコンなどのラジカル塗料について、施工経験が豊富な業者がまだ少ないため、プレミアムシリコンを使いたい場合は、業者選びに注意してください。

プレミアムシリコンはこんな人におすすめ

ここでは、プレミアムシリコンがおすすめな人について解説します。

最新塗料を試したい人

プレミアムシリコンは性能が高い塗料ですが、発売から年数があまり経っていないため、メーカーが公表している耐用年数を耐えた実例がありません。そのため、実例が揃ってから検討したい方や、実績を重視したい方にはおすすめできません。

一方、最新の塗料を試してみたいという方には最適な塗料と言えます。

コストパフォーマンスを重視する人

プレミアムシリコンは、従来のシリコン塗料と同等の価格帯でありながら、耐用年数が長いため、コストパフォーマンスが高くなっています。
そのため、コストパフォーマンスを重視する方には、満足できる塗料と言えるでしょう。

外壁と同時に屋根塗装をする場合で、屋根にはフッ素塗料を考えている人

外壁塗装と屋根塗装では、施工するために足場を組む必要があります。
この足場代は高価になるため、外壁塗装と屋根塗装を同時に行うケースが多くなっています。
そのためには、外壁塗装と屋根塗装のタイミングを合わせる必要があるため、使う塗料の耐用年数も合わせておくことが必要です。
外壁塗装にプレミアムシリコンを使う場合は、屋根には耐用年数が同程度のフッ素塗料を使うと、外壁塗装と屋根塗装を同じタイミングで行うことができます。

外壁を長持ちさせたいと思っている人

プレミアムシリコンは、耐候性に優れているため、風雨や紫外線、気温の変化などから外壁を守ることができます。
また、ラジカル制御機能により、塗膜の劣化の原因の発生を防ぐこともできます。
さらに、プレミアムシリコンは外壁が汚れにくくなるという性質もあるため、長期間外壁をきれいな状態で保つことが可能です。

費用を抑えてラジカル塗料を試したい人

現在、ラジカル塗料はいくつかのメーカーから販売されています。
そのラジカル塗料の中で、一番価格が安いのがプレミアムシリコンです。
プレミアムシリコンは、価格は安いですが、性能が低い訳ではありません。
そのため、費用を抑えてラジカル塗料を試したい方にはおすすめの塗料です。

まとめ

ここまで、プレミアムシリコンの特徴とメリット・デメリットなどについて解説しました。
プレミアムシリコンは、ラジカル制御機能がある塗料で、耐用年数が長いなどの特徴があります。
また、汚れにくく外観を長期間長持ちできる上、価格が安いため、コストパフォーマンスが高い塗料です。
ただし、発売から年数があまり経っていないため実例があまりありません。
そのため、その点について理解した上で使うようにしましょう。

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