どんな家屋でも定期的な外壁塗装が必要と言われています。
ただ、なぜ外壁塗装が必要なのかわからない、外壁塗装をしなくても問題ないのでは？と考える人もいるようです。
この記事では、外壁塗装をしないとどうなるかについて、リスクと劣化症状について解説します。

外壁塗装は必要？

一般的な家屋の外壁の場合、外壁塗装は必要です。

ただし、レンガやタイルの外壁の場合のみ外壁塗装は不要です。

レンガとタイルの外壁は、成分に違いはありますが、どちらも紫外線や雨水への耐性が強いのが特徴です。
レンガもタイルも素材として塗装しなくても30年以上は持つ素材なので、外壁塗装をしても耐久性には変化があまりありません。
外壁にコケなどの汚れがつくため、高圧洗浄などでメンテナンスをすれば問題ないでしょう。

外壁塗装が必要な理由

外壁塗装は必要であると理解していても、その理由を把握している人は多いかもしれません。

外壁塗装の目的は、外壁の美観を保つためと考えられがちですが、一番重要な目的は外壁の保護のためです。

ほとんどの素材の外壁は、塗装により保護されているため、定期的に塗装しておかないと、外壁そのものが劣化してしまいます。
塗装の保護効果がなくなった外壁は、紫外線や雨水の影響を受けてしまい、さまざまな問題が発生します。
外壁にひび割れが発生したり、雨水が建物内部に浸入することで雨漏りの原因になったり、内部が腐り建物自体が劣化したり、シロアリ被害に遭いやすくなるなどの問題があります。

このような問題から建物を守るためにも、外壁塗装は必要です。

外壁塗装をしなくてもいいケースについて

外壁塗装の必要性について解説しましたが、外壁塗装をしなくてもいいケースがあります。
ここでは、外壁塗装をしなくてもいい条件について解説します。

解体や建て替えの予定がある

外壁が劣化している場合でも、数年以内に解体や建て替えの予定がある場合は、外壁塗装をする必要はありません。
解体や建て替えまで家屋が維持できれば問題がないためです。

ただし、解体や建て替えの予定があった場合でも、住んでいる限りは美観を維持したいという場合は塗装をするのがおすすめです。
美観さえ気にならないのであれば、外壁塗装を行わずに解体や建て替えに向けて費用を節約するといいでしょう。

10年以上放置する予定がある

家に住み続けるのではなく、引っ越しなどで家を10年以上放置する予定がある場合も外壁塗装をすぐに行う必要はありません。

ただし、家に住まずに放置している場合でも、雨や紫外線によって外壁は劣化を続けるため、その間に家自体の寿命が短くなっていることは検討しておきましょう。

また、放置したあとに家に住んだり使ったりする予定がある場合は、放置する前に塗装をしておくと安心できます。

外壁塗装をしないとどうなる？

外壁塗装をしないとどうなるのか、心配に思う人も多いのではないでしょうか。
実際、外壁塗装をしないまま放置していると、家屋にさまざまなリスクが発生します。

ここでは、外壁塗装をしないとどうなるかについて解説します。

家屋の美観が損なわれる

外壁塗装をしないと、外壁が汚れるなどの原因で、家屋全体の美観が損なわれてしまいます。
新築時にはきれいな外壁だったとしても、年数が経つと劣化が進み、色褪せなどが発生します。

また、塗装が剥がれることでひび割れが発生したりするなど、見た目にも大きな変化が出ることでしょう。
家屋の外観が悪くなると、周囲からの評判も悪くなるかもしれません。

雨漏りが発生する

外壁塗装をしないまま放置していると、雨漏りが発生するリスクがあります。

外観は塗装によって風雨や紫外線から保護されていますが、塗装の経年劣化により塗装が剥がれてしまうと、そこから雨水が浸入しやすくなってしまいます。
雨漏りが発生すると、建物内部の柱や構造を腐らせてしまうため、建物全体の劣化が進行するかもしれません。

また、建物の劣化が進行すると耐震性も損なわれてしまい、大きな地震が起きた場合には、命の危険に晒されてしまうかもしれません。

シロアリが発生する

雨漏りが発生すると、二次被害としてシロアリが発生する可能性がでてきます。

シロアリは水分を含んだ木材を好むため、雨漏りがシロアリを呼び寄せてしまうのです。
シロアリは、建物内部の木材を食い荒らし、食い荒らされた部分が空洞となることで、建物の耐震性が低下します。

結果として、大規模なリフォームが必要となるかもしれません。

外壁塗装をしないことで発生する劣化症状について

外壁塗装をしないまま放置していると、さまざまな劣化症状が発生します。
ここでは、この劣化症状について解説します。

劣化症状が発生する年数については、外壁や塗料の種類により変わるため、実際に外壁を確認してみてください。

色褪せ

外壁の劣化症状としてまず発生するのが「色褪せ」です。
外壁の色が薄くなったり、ツヤがなくなったりするため、見た目で判断ができます。
本来の色と変わってきたと感じるようであれば、劣化が進んでいると考えてください。

ただし、最初からツヤがない外壁の場合は、ツヤの劣化がわかりにくくなっています。

コケやカビなどの汚れがつく

塗装が劣化して保護効果が弱くなると、外壁にコケやカビなどの汚れがつきやすくなります。
これは塗料の撥水性が弱まっていることが原因で、湿気がたまりやすくなることで汚れへの抵抗力も低くなっています。

チョーキング現象

チョーキング現象とは、外壁を直接手で触ると指に白い粉が付く状態のことです。
このチョーキング現象が発生していると、塗装の効果がなくなっている証拠です。
すでに塗装の効果がほぼなくなっているため、外壁の劣化は進行しやすい状態と言えるでしょう。

クラック（ひび割れ）

チョーキング現象が起きた状態を放置していると、外壁に小さいクラック（ひび割れ）が発生するようになります。
クラックは小さいものであれば、すぐに問題があるわけではありませんが、外壁の劣化が始まっている可能性が高いと言えるでしょう。
特に、クラックの大きさが0.3mm以上ある場合は、外壁から内部に雨水などが浸入する危険性が高いため、早めに補修工事をすることをおすすめします。

塗装の剥がれ

外壁にクラックが発生している場合は、塗装が剥がれ落ちる可能性が高くなっています
クラックから外壁の内部に雨水などが浸入するため、外壁の表面の塗装が剥がれてしまう状態になっています。
この状態では、すでに外壁の防水性は失われているため、放置すると建物自体が劣化してしまうため危険な状態です。

建物内部が腐食

外壁の劣化は、最終的には外壁だけでなく建物内部にも被害が発生します。
建物の構造まで雨水が浸入してしまうと、柱や土台まで腐食してしまい、建物内部に湿気が溜まると、シロアリ被害などにも遭いやすくなるのです。
この状態になると、外壁塗装では修復不可能で、外壁の張り替えだけでなく、下地や柱も修復する必要があります。
この修復にはかなりの費用がかかるため、注意してください。

劣化症状別の外壁塗装をすべきかどうかの判断基準

ここまで、外壁塗装をせずに放置した場合の劣化症状について解説しました。
ここからは、外壁の劣化症状別に対処法について解説します。

色褪せの場合

外壁の色褪せが発生している場合でも、すぐに対処する必要はありません。
見た目が悪くなるため気になる人がいるかもしれませんが、チョーキングが発生していないのなら問題はありません。

ただし、外壁の劣化が始まっているため、しばらく様子を見ておきましょう。

カビやコケなどの汚れの場合

外壁にカビやコケなどの汚れがつきやすくなっている場合は、塗装が弱っていますが、すぐに危険性はありません。
汚れが気になる場合は、洗剤や水洗いなどで洗い落としてみましょう。
外壁を掃除する場合は、柔らかいスポンジを使い、外壁に傷がつかないように注意して洗いましょう。

チョーキング現象の場合

チョーキング現象が発生している場合、外壁の劣化が進んでいるため、外壁塗装の対処が必要です。
チョーキング現象が発生したタイミングで外壁塗装をしておけば、劣化がひどくなることはありません。
急いで塗装をする必要はありませんが、放置して劣化が進むと外壁の耐久性が低下してしまい、補修費用が多くかかるかもしれないため注意しましょう。

可能であれば、ひび割れが発生する前に外壁塗装をするのがおすすめです。

クラックが発生している場合

クラックが発生している場合、早めの補修工事が必要です。
クラックがまだ小さい場合は、外壁塗装で埋めることができるため、補修費用は低く抑えることができます。

ただし、クラックの幅が大きい場合は、外壁塗装以外の補修が必要になります。

塗装の剥がれの場合

塗装が剥がれている場合、外壁塗装では修復は難しい状態です。
まず塗装の剥がれがある部分を補修か張り替えをした後に、外壁塗装をする必要があります。

また、外壁全体が劣化している可能性もあるため、部分的な補修だけでは済まない可能性もあります。
部分補修や張り替えの費用は、高額になることが多いため、この状態になる前に対処することが理想です。

雨漏り・下地の腐食の場合

雨漏りが発生している場合は、外壁塗装では対処できません。
すぐに雨漏りの修復が必要です。

また、下地に腐食がある場合は、すぐに下地や構造を修復し、塗装や張り替えをしましょう。
外壁全体が劣化している場合は、塗装よりも張り替えがおすすめです。
これは、塗装をした場合でもすぐに別の場所が傷んでしまう可能性があるためです。

下地は構造の修復には費用がかかるため、できるだけ初期の劣化症状の段階で外壁塗装などの対処をするようにしましょう。

まとめ

ここまで、外壁塗装をしないとどうなるかについて、リスクと劣化症状について解説しました。
ほとんどの外壁にとって、外壁塗装は必要です。
外壁は塗装によって保護されているため、外壁塗装をしないと塗料が劣化し、外壁を保護できなくなってしまいます。
外壁の劣化によりさまざまな劣化症状が発生し、段階に応じて劣化の種類が異なります。
放置し続けることで、修復に費用がかかるようになるため、できるだけ初期段階で対処するようにしましょう。

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